「科学のゴシック大聖堂」という喩えになるほどなーと思った話 その1

不要不急の外出を控えるべき殺人的な暑さの午後、東京大学に行ってきました。

アスファルトで固められた道路の照り返しは強く、全方位的にコンガリ焼き上がりそうです。パンとか、焼けそうです。

ただ、この景色は酷暑を感じさせませんね。都営大江戸線から総合博物館側の入り口を経由して赤門の方向へ。ひっそりと修理中の理学部の建屋を右手に、楽しい妄想の時間です。この景色なら、いろんな時代のいろんな国の衣装が似合いそう。鞄や傘もクラッシック、アンティークからアバンギャルドまで懐深く受け入れてくれそうな佇まい。ここでコスプレ撮影会とかやったら、絶対面白いと思う。ウエディングフォトにも良さそうよね。和装でもドレスでも、キッチリ魅せてくれそうです。なんて気を紛らわせながら会場へ。 


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本日の目的はセミナー受講。

https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/ja/news/page_00008.html

セミナー:第2回東京カレッジ講演会

タイトル:科学のゴシック大聖堂:ノーベル賞と『革命』概念について

プログラム:

 ・スヴァンテ・リンドクヴィスト氏 講演

 ・鼎談 スヴァンテ・リンドクヴィスト氏、梶田先生、岡本先生

会場:東京大学・福武ラーニングシアター(本郷キャンパス 情報学環・福武ホール地下2階)

 
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赤門近くのモダンな建物の地下に侵入です。今年の大雨を心配しつつ、秘密基地への階段を下ります。(エントランスの排水・防水機構をチェックするのを忘れてしまった。また何かで潜入したときには是非見てみよう)


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全部で2時間の講演は英語。座席分だけ同時通訳イヤホンが用意されていたので、有り難くお借りしました。満席の会場にキンキンの冷房。なんか、久しぶりのシチュエーションに、「あー、勉強しにキター」という気分が高まります。

 

 

さて、本日の登場人物について。司会はサトウマサキ先生。会場は録音・撮影共に禁止だったので、「音(おん)」しか分かりませんでした。ビデオなど撮影されていたようだったので、後ほど公式なレポートが出るのかな?梶田先生は毎年神岡の展示物で似顔絵やら写真やらで勝手に親しみを持っています。開演前、「なーんか見たことある人がいるなぁ、知り合いだっけかなぁ?」と思っていたのですが、テレビや雑誌で見かけただけという一方的な記憶でした(汗)。声を掛けなくて良かった。岡本拓司先生は科学史がご専門で、東大の先生。

 

スヴァンテ・リンドクヴィスト氏は全くの初めましてです。ノーベル博物館を創設した研究者であり、スウェーデン王立科学アカデミー(ノーベル賞授与機関)の会長を務めたかたとのこと。ノーベル賞100年の歴史を整理整頓した人物ということでしょうか。

 

ノーベル賞はダイナマイトの発明者ノーベル氏の遺言に従って設立された賞で、1901年から始まりました。今年が2019年なので、今年は「まだ」118年目なのですね。

 

スヴァンテ・リンドクヴィスト氏の講演は、科学技術の進歩を大聖堂になぞらえて、私たちに新しいチェックポイントを示すというものでした。「革命(的)」な発見、発明という言葉はセンセーショナルに我々一般市民の期待感をあおりますが、それはどういう意味なのか。

 

「革命的」や「パラダイム・シフト」という表現は自然科学においてとても曖昧に用いられている言葉なのと言われたときは、驚きました。自然科学者達は「新発見だぜー!ぃぇーぃ♪」という極めて主観的かつ曖昧な判断で、この言葉を使っているのだと。

 

過去にノーベル賞を受賞した「革命的な」研究テーマというのも、雲行きが怪しくなります。だって、「何をもって革命的か」がというハードルが「極めて個人的な」基準なんですもの。口裂け女の『わたし、キレイ?』だって、もちょっと基準があるんでないかい?

 

いきなり衝撃の告白(?)で始まったスヴァンテ・リンドクヴィスト氏の講演は、歴史家ならでわのロング、ロングスパンでぶった切る、私にとっては新しい視野が開けるきっかけになりましt。

 

…っと、講演メモの続きはまた明日。

 

 

東大総合博物館のそばで見つけた気になるポスター

「昆虫の形と色の不思議」

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2019konchu.html

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2019konchu.pdf (チラシ)

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